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2024年度 グッドデザイン賞を受賞!

はしづめ製麺グッドデザイン賞受賞アイキャッチ

はしづめ製麺が2024年度 グッドデザイン賞を受賞いたしました。

この度、株式会社はしづめ製麺(東京都品川区)が2024年10月16日、2024年度グッドデザイン賞を受賞いたしました。
グッドデザイン賞(Good Design Award)とは、1957年に設立された日本のデザイン評価制度で、生活や社会の質を向上させる優れたデザインを表彰します。製品、建築物、サービス、システムなど多様な分野でのデザインが対象で、単なる美しさだけでなく、機能性、使いやすさ、環境配慮、社会的意義なども評価基準となっています。
グッドデザイン賞 公式サイト

1.概要

コスト優位・大量生産が主流の製麺業界の中、1949年創業の老舗製麺会社「はしづめ製麺」は高品質・多品種小ロット生産で一流ホテルや高級中華料理店から高く支持され、麺の食文化の可能性を広げている。BtoBだけでなくBtoCへも認知を強化し、高品質な製麺と麺料理の奥深さを広く啓発するためコーポレートブランディングを行なった。


2.デザインのポイント

  • 麺の情報整理:カテゴリー整理に加え、麺の美味しさを太さ・食感・香りで体系化した「味わいゲージ」を開発
  • 統一されたブランドの世界観:コンセプトを表現したロゴ、エンブレム、ブランドカラーでブランド全体を統一
  • ユーザービリティー:toB、toCのユーザーニーズに応じて情報設計されたパッケージやWEBサイト

3.デザインが生まれた理由/背景

味わいゲージ・パンフレット画像

BtoBの製麺業界はコスト優位の業界である中、はしづめ製麺は日本で初めてほうれん草を練り込んだ「翡翠麺(ひすいめん)」を開発するなど、ヌードルアーティストである橋爪利幸のもと、製麺の質を上げる活動を続けてきた。少品種・大量生産が主流である業界と一線を画し、多品種・小ロットの麺の開発で、製麺の可能性を探求している。その品質の高い麺づくりは一流ホテルや高級中華料理店から支持され、麺の食文化発展に貢献している。さらに、運営するレストラン「はしづめ」では麺料理の世界観を追求し、ミシュランの1つ星を獲得するなど高い評価を得ている。一方で、多種類に及ぶ商品特徴のわかりにくさや、BtoCへの認知度が低いことが課題であった。高品質な製麺と麺料理の奥深さを広く一般ユーザーにも伝えるため、BtoC事業にも参入し、一般向けにも認知されるブランド構築を目指しコーポレートブランディングを行った。


4.デザインを実現した経緯とその成果

はしづめ製麺のロゴデザイン

高品質な製麺と麺料理の奥深さを広く伝える上で、多種多様な麺の情報整理を行う必要があった。製麺業界で初めて麺の美味しさの要素を分析し、太さ・食感・香りの3つに体系化した「味わいゲージ」を開発。一目で麺の特徴を伝え、ユーザーが選びやすい仕組みを作った。はしづめ製麺が麺づくりで大切にしている「色(視覚)・味(味覚)・香り(嗅覚)・食感(触覚)」と、料理人の声を「伺う(聴覚)」企業姿勢を加えた5つの要素から、ブランドコンセプトを「五感でつくる麺づくり」とし、鞠状の麺が5つ集まり「麺の花」を表現したロゴマークをデザイン。ブランドエンブレムには四隅に製麺工程をモチーフとしてあしらい、製麺の背景を物語っている。上品さと格調高さを表す深いブルーのブランドカラーは、製麺業界の他のパッケージと差別化。パッケージ以外にもさまざまなタッチポイントで一貫して展開し、ブランドの品質感を高めている。


5.デザインの改良、競合・類似デザインとの差異について

多品種・小ロットにおける競合は存在せず、1949年の創業以来、高品質な麺づくりを続けてきた。特に、日本で唯一のヌードルアーティストにより「翡翠麺」をはじめとする練り込み麺を多数開発してきたことは、製麺の技術や麺料理の世界観を広げ、麺そのものの可能性を開拓してきた。リブランディングではさらに専門性を高めるため、練り込み麺に焦点が当たるよう商品ラインアップを整理した。業務用の最低限の包装だったパッケージにも、商品に相応しいデザインを施すことで、toB向け・toC向け共に高品質な世界観を表現している。


6.これまでの実績

1949年の創業以来、当社は高品質な麺づくりを続けている。 特に、日本で唯一のヌードルアーティスト®️が手掛ける「翡翠麺」(1980年で日本で初めて開発)をはじめとする練り込み麺の数々は、製麺技術や麺料理の世界観を広げ、麺そのものの可能性を開拓してきた。 これらの麺の良さをより多くの人に届けるため、私たちは麺料理を中心に中華料理を提供する「広尾はしづめ」(2012年〜)と「青山はしづめ」(2015年〜)の2店舗をオープンし、2018年、2019年度のミシュランガイドで1つ星を獲得した。 青山はしづめ料理長の山田は、ジョブチューン等多数のメディアの料理審査員を務めている。また、BtoB事業では、製麺業界で初めて麺の美味しさの要素を分析し、太さ・食感・香りの3つに体系化した「味わいゲージ」を開発。 この革新により、リニューアル前後で得意先やお客様からの問い合わせが2倍に増加した。


7.審査委員の評価

麺の花として表現されたロゴマークと、製麺工程が想像しやすいエンブレム。どちらも同社が大切にしている理念や背景がカタチとなったものだ。こうしたマークを一貫してさまざまな場面で使用することで、理念を浸透させるだけでなく、強固なブランドを構築することに成功している。また、麺の美味しさを「味わいゲージ」という3つのパラメーターで数値化した点も非常に評価が高い。複雑で捉えにくい「味」という要素をシンプルに伝えることで、商品選択を容易にするだけでなく、高い品質を維持する自信を示し、信頼感のあるブランディングに大きく貢献している。


8.ディレクター・デザイナー


ディレクター:株式会社エイトブランディングデザイン ブランディングデザイナー 西澤明洋
株式会社エイトブランディングデザイン

デザイナー:
株式会社はしづめ製麺 :ヌードルアーティスト®橋爪利幸、料理長 山田英明
株式会社エイトブランディングデザイン :西澤明洋、時藤愛、岩垂絢子


会社概要

項目 内容
会社名 株式会社 はしづめ製麺
代表 代表取締役 橋爪 利幸
住所 〒140-0011 東京都品川区東大井 3-6-16
tel 03-3761-1133
Mail info@hashizumen.co.jp
アクセス 京急本線「鮫洲駅」徒歩5分/JR 京浜東北線「大井町駅」徒歩 10 分
創業 1949年 10月
創立 1975年 11月1日
資本金 1,000万円
事業内容 麺類総合製造卸/レストラン事業
営業品目 中華麺/パスタ類/蒸麺/皮類/うどん/蕎麦

代表取締役社長 / ヌードルアーティスト® 橋爪利幸

橋爪利幸は、1969年東京生まれで株式会社はしづめ製麺の代表です。ヌードルアーティスト®として「五感でつくる麺づくり」をコンセプトに、色、味、香り、食感を重視した麺の開発を行っています。日本で初めて「翡翠麺」を開発し、100を超える種類の麺を開発するなど、「より美味しくより美しい麺」を探求し続けています。

詳しいインタビュー記事はこちら

ヌードルアーティスト 橋爪利幸